
軽貨物の仕事を調べる中で、「ネットスーパーの配送はきつい」「やめておいたほうがいい」という声を耳にし、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
一般的な宅配案件(通販の荷物など)と比べて、ネットスーパーの配送には扱う品物や配送ルールに大きな違いがあります。そのため、仕事の特徴を正しく理解しないまま始めてしまうと、「想像以上に体力的につらい」と後悔する原因になりかねません。
この記事では、ネットスーパーの配送が「きつい」と言われる具体的な理由、他の配送案件との違い、そして未経験者が事前に確認しておくべき判断基準を詳しく解説します。
ネットスーパーの配送が「きつい」と言われる4つの理由

ネットスーパーの仕事は、主に大手スーパーの店舗でカゴに詰められた食品や日用品を預かり、個人宅へ届ける業務です。一見すると身近で始めやすそうに思えますが、現場では以下のような特有の負担があります。
1. 水や米などの「重量物」を階段で運ぶことが多い
ネットスーパーを利用するお客様は、「重くて運べないものを代わりに届けてほしい」と考えているケースが多々あります。
- よくある配送品の例:
- 2リットルのペットボトル(6本入りケース)× 2箱
- 5kg〜10kgのお米
- キャベツや大根などの重い野菜、大量の缶飲料
これらをエレベーターのないアパートの3階や4階まで、手押し台車が使えない状態で階段を往復して運ぶことも珍しくありません。一般的な宅配の荷物よりも、1回あたりの純粋な重量負担が大きい点が体力を消耗させる大きな要因です。
2. 「指定時間」の枠が厳しく、遅延が許されない
ネットスーパーは、お客様が在宅している「12時〜14時」「14時〜16時」といった2時間きざみの時間帯(便)ごとに配送スケジュールが組まれています。
⏰ 宅配との時間管理の違い
通販などの宅配であれば、多少遅れても「不在票」を入れて次の配達へ向かうことができます。しかし、ネットスーパーは食品(生鮮食品や冷凍食品)を扱うため、**「その時間帯の中に必ず届け切る」**という強い時間制限があります。前の配送が長引いたり、道に迷ったりすると、次の配送へ行く時間が逼迫し、精神的な焦りが生まれやすくなります。
3. 不在時の「持ち戻り」や再配達の処理がシビア
冷凍・冷蔵食品が含まれているため、原則として「勝手に置き配をする」ということができません(事前にお客様から専用BOXの指定がある場合を除く)。
万が一お客様が不在だった場合は、一度店舗に商品を持ち戻り、保冷庫などに戻す作業が発生します。また、お客様から「今帰宅したからすぐ届けてほしい」と連絡があれば、スケジュールを再調整して再配達に向かう必要があります。この店舗と往復するタイムロスが、稼働中の大きな負担になります。
4. 配送だけでなく「店舗での積み込み・検品」に時間がかかる
ネットスーパーの仕事は、車を走らせている時間だけではありません。
店舗に到着した後、自分が担当する便の荷物をバックヤードから集め、注文履歴と照らし合わせる「検品作業」を行います。卵が割れていないか、冷凍品が溶けていないかといった細かい配慮が必要で、「配送前の準備段階」で想像以上に神経を使う点がきついと感じるドライバーも多いです。
宅配案件(個数制)とネットスーパー案件の比較

軽貨物の代表的な仕事である「宅配(通販など)」と「ネットスーパー」では、働き方や報酬の仕組みにどのような違いがあるのでしょうか。一覧表で比較してみましょう。
| 比較項目 | ネットスーパー配送 | 一般的な宅配(通販など) |
| 報酬の形態 | **日当保証型(固定報酬)**が中心 | **完全歩合型(個数制)**が中心 |
| 1日の配送件数 | 1日3便〜4便(計15〜25件程度) | 1日100件〜150件以上 |
| 荷物の特徴 | 水・米・生鮮食品など(重い) | 書籍・衣服・日用品など(軽いもの中心) |
| 不在時の対応 | 原則持ち戻り(置き配不可が多い) | 置き配や宅配ボックスが活用できる |
| 未経験への向き・不向き | 件数が少ないため、ルートは覚えやすい | ルート構築やスピードに慣れが必要 |
ネットスーパーは「件数が少ない」というメリットもある
体力面や時間管理の厳しさはありますが、ネットスーパーには「1日に配る件数が圧倒的に少ない」という大きなメリットもあります。
一般的な宅配のように「1日に150件近く配らなければ売上にならない」ということはなく、あらかじめ決められた本数(1便あたり数件×3〜4回転)を確実に届ければ業務は完了します。そのため、「1日に何百件も回るスピード勝負の仕事はついていけないけれど、決まった件数を丁寧に回る仕事ならできそう」という方には、決して悪い選択肢ではありません。
【収支シミュレーション】ネットスーパー(日当保証型)の手残り目安

ネットスーパーの案件は、基本的に「1日〇円」という日当保証型が多く採用されています。走行距離が短く、エリアが限定されていることが多いため、ガソリン代などの経費を抑えやすい傾向があります。
月22日稼働した場合の、一般的な手残り目安を算出してみましょう。
| 項目 | 金額の目安 | 補足説明 |
| 売上(日当 16,500円 × 22日) | 363,000円 | 個数に関わらず固定の報酬 |
| ロイヤリティ(手数料) | 0円 | 日当から事前に引かれているケースを想定 |
| 車両リース代 | 50,000円 | 車両をレンタル・リースする場合 |
| ガソリン代 | 25,000円 | 店舗周辺の狭いエリアのため安め |
| 任意保険・貨物保険料 | 18,000円 | 業務用の保険に加入 |
| 消耗品・その他経費 | 10,000円 | スマホ通信費や駐車場代など |
| 手残り目安 | 260,000円 | 売上から経費を引いた金額 |
※上記はあくまで目安の一例です。店舗ごとの日当設定、稼働日数、車両の有無によって変動します。
完全歩合型の宅配のように「スキル次第で月収50万円以上を目指す」といった爆発的な収入アップは見込めませんが、「未経験からでも初月から安定して25万円前後の手残りを確保しやすい」という点は、日当保証型ならではの安心感と言えます。
ネットスーパーを始める前に確認したい3つのチェックポイント

「体力的に自分にできるか不安」「きつすぎて長続きしなかったらどうしよう」と迷っている方は、契約前に以下の3つのポイントを必ず確認・質問してみましょう。
1. 「店舗の場所」と「配送エリア」の範囲
ネットスーパーは、担当するスーパーの店舗を中心とした半径数キロ圏内が配送エリアになります。
- 確認したい点:さいたま市、柏市、船橋市といったエリア周辺で稼働する場合、その周辺地域は坂道が多いか、階段のみのアパートが多い地域かどうかによって体力の消耗度が変わります。面談の際に「主な配送エリアの地形や住宅の傾向」を聞いておくとイメージが湧きやすくなります。
2. 万が一「配り切れなかった時」のサポート体制
時間枠が厳しいネットスーパーですが、道路の渋滞や予期せぬ不在が重なり、時間内に配り切れそうにないシチュエーションも起こり得ます。
- 確認したい点:「遅れそうな場合に店舗のチーフや他のドライバーがフォローに入ってくれる体制があるか」を確認してください。孤立無援で全て自己責任にされる環境なのか、チームとして助け合える環境なのかによって、精神的なプレッシャーは180度変わります。
3. 車両の「冷蔵・冷凍設備」が必要かどうか
案件によっては、冷凍食品を運ぶために「冷蔵機能付きの軽バン(クール車)」が必要になるケースと、通常の軽バンに「保冷ボックス+ドライアイス」を積めばOKのケースがあります。
- 確認したい点:専用のクール車をリースしなければならない場合、毎月の車両リース代が通常より高くなることがあります。経費(手残り)に直結する部分なので、車両の条件は必ず事前にクリアにしておきましょう。
まとめ|自分に合う「配送ジャンル」を見極めよう
ネットスーパーの配送は、確かに「重い荷物がある」「時間の縛りがタイト」という点できつい部分もあります。しかし、「配る件数が少なくて済む」「エリアが狭いため道を覚えやすい」「収入が固定で安定している」という、未経験者にとって見逃せないメリットがあるのも事実です。
大切なのは、「ネットスーパーが良いか悪いか」ではなく、「自分の体力や、希望する収入のバランスに合っているかどうか」です。
軽貨物の仕事には、ネットスーパー以外にも、一般的な宅配、企業間を回るスポット便や定期便など、さまざまな種類が存在します。高い報酬額や、他人の「きつい」という口コミだけで判断せず、まずは自分にどんな条件の仕事が合うのかを冷静に整理してみるのが失敗しないための近道です。
「自分の体力で無理なく回れるエリアはあるか」「宅配とネットスーパー、どちらが自分に向いているか比較したい」と感じている方は、一度条件をクリアにするためにHAKONEXTの相談窓口を頼ってみてください。希望の働き方や稼働日数を一緒に整理しながら、あなたにぴったりな配送の形を見つけるお手伝いをいたします。