
「1個150円の宅配を100件配るより、1件2万円の引越しをこなす方が効率がいいのではないか?」
軽貨物ドライバーとして活動していると、一度はこうした考えが頭をよぎるはずです。確かに、引越し案件は数ある配送仕事の中でもトップクラスの単価を誇ります。しかし、高単価であることには、それ相応の「理由」と「責任」があります。
単に荷物を運ぶだけでなく、お客様の家を傷つけない「養生」の技術、重い家具を一人で運ぶ「コツ」、そして万が一の破損トラブルへの「備え」がなければ、一度の失敗で数ヶ月分の利益が吹き飛ぶ世界でもあります。
この記事では、軽貨物で引越し案件を扱う場合のリアルな収支、必要な装備、そして未経験者が「請けていい案件・ダメな案件」の境界線を詳しく解説します。
軽貨物の引越しが「高単価」である理由と収入の目安

引越し案件が稼げると言われる最大の理由は、それが「運送業」であると同時に「サービス業」の側面が強いからです。
1件あたり10,000円〜30,000円。時給換算での圧倒的なメリット
軽貨物での単身引越しの場合、近距離であれば1件15,000円〜25,000円程度が相場です。作業時間が積み込み・移動・荷解きを合わせて3〜4時間で終われば、時給換算で5,000円を超えることも珍しくありません。これは、数分おきに車両の乗り降りを繰り返す宅配とは比較にならない効率です。
繁忙期(3月〜4月)の爆発力
特に3月・4月の引越しシーズンは需要が供給を大幅に上回ります。この時期は通常期の1.5倍〜2倍の単価設定になることもあり、1日に3件の単身引越しを回すことができれば、日当で6万円〜8万円といった数字も現実味を帯びてきます。
【収支比較】引越しメイン vs 宅配メインの稼ぎ方

引越し案件をメインにする場合、売上は高いですが「経費とリスク」の考え方が宅配とは大きく異なります。
引越しメインの稼働モデル(月15日稼働・1日2件想定)
| 項目 | 金額の目安 | 備考 |
| 売上(20,000円 × 2件 × 15日) | 600,000円 | 案件確保が最大の課題 |
| 車両経費・ガソリン代 | 60,000円 | 走行距離は宅配より少ない |
| 養生資材・消耗品費 | 10,000円 | テープや毛布の買い足し |
| 貨物保険(引越し特約付) | 15,000円 | 高額な補償が必要 |
| 集客・プラットフォーム手数料 | 90,000円 | 15〜20%程度を想定 |
| 手残り目安(所得) | 425,000円 | 身体の休息を考慮した稼働日数 |
宅配メインで月22日稼働して手残り30万円前後を目指すのと比較すると、稼働日数を減らしつつ高所得を狙えるのが引越しの魅力です。しかし、引越しには「案件がない日はゼロ」という不安定さが常につきまといます。
引越し案件を始める前に揃えるべき「必須ツール」と資格

「車とやる気があればできる」と思われがちですが、引越しは装備の質がプロと素人を分けます。
初期投資でケチると大損する「養生資材」
お客様が最も嫌うのは、荷物の破損よりも「新居の壁や床に傷がつくこと」です。
- プラダン・青ベニヤ: 壁や床を保護するために必須です。
- ハイパット(腹巻): 冷蔵庫や洗濯機をそのまま包める伸縮性のあるキルティング布。
- ハンガーボックス: 衣類をかけたまま運べる箱。これがあるだけで顧客満足度が変わります。これらの資材に5万円〜10万円ほど投資できるかどうかが、最初の壁となります。
貨物賠償責任保険への加入は絶対条件
軽貨物の一般的な保険では、引越し作業中の「建物への傷」や「精密機器の故障」がカバーされないケースがあります。必ず「引越し特約」が含まれているか、補償額は十分(最低でも500万〜1,000万円)かを確認してください。保険なしで引越しを請けるのは、命綱なしで綱渡りをするのと同じです。
未経験者が直面する「引越しの落とし穴」と回避策

引越し案件で失敗し、すぐに業界を去る人の多くは「自分の限界」を把握していません。
階段作業と大型家電:一人で運べる限界
軽貨物の引越しは基本的にドライバー一人で行います。
- 請けてはいけない例: 「エレベーターなし4階への3ドア冷蔵庫」「ドラム式洗濯機の搬入」「メゾネットタイプの急な内階段」。これらを一人で無理に運ぼうとすると、腰を痛めるだけでなく、荷物を落下させて再起不能なダメージを負うリスクがあります。案件を受ける前に、必ず「荷物リスト」と「階段の有無」を詳細に確認するクセをつけましょう。
さいたま市や柏周辺のタワーマンション、狭路での注意点
- タワーマンション(さいたま新都心や武蔵浦和など): 防災センターでの受付、長い台車移動、エレベーターの養生指定など、作業時間以外のロスタイムが膨大です。これを知らずに安値で請けると、時給換算で大赤字になります。
- 狭い路地(柏や船橋の旧市街): 軽バンでも停車できないほど狭い路地では、長距離の台車移動(手押し)が発生し、体力を激しく消耗します。
安定して稼ぐための「組み合わせ戦略」

引越し案件だけでカレンダーを埋めるのは、営業力のない個人には至難の業です。賢いドライバーは、以下のような組み合わせでリスクを分散しています。
1. 「宅配・定期便」を土台にし、空き枠に引越しを入れる
月〜金は安定した日当が出る「企業配」や「ネットスーパー」で食い扶持を確保し、単価の跳ねる土日祝日だけを引越し案件に充てるスタイルです。これなら、引越しの予約が入らない日でも収入が途絶えません。
2. プラットフォームを戦略的に使い分ける
「くらしのマーケット」などの集客サイトは自分で価格設定ができる反面、手数料が発生し、口コミ評価に左右されます。一方で、HAKONEXTのような配送ネットワークに所属していれば、自力で集客しなくても高単価なスポット・引越し案件が回ってくることがあります。
まとめ:高単価には理由がある。まずは自分の適性とリスク管理を整理すること
軽貨物の引越し案件は、正しく取り組めば「短時間で大きく稼ぐ」ための最強の武器になります。しかし、それは「運ぶ技術」と「養生への投資」、そして「断る勇気」があって初めて成立するビジネスです。
- 1個150円の積み上げに限界を感じている
- 体力には自信があるが、一人で引越しを始めるのは事故が怖い
- 必要な資材や、本当に稼げるエリア(さいたま、柏、船橋など)の情報を知りたい
- 引越しと他の案件をどう組み合わせるのがベストか相談したい
もし今、あなたが「もっと効率よく稼ぎたい」と考えているなら、一度HAKONEXT(ハコネクスト)の相談窓口で、あなたの条件を整理してみませんか?
HAKONEXTでは、未経験から高単価案件にステップアップするためのノウハウや、リスクを最小限に抑えるためのサポート体制を整えています。「いきなり引越しは不安」という方には、まずは家具配送などの「重い荷物の扱い」を学べる案件からスタートする道も提案できます。
売上を伸ばすために必要なのは、根性だけではありません。「どの案件を選ぶか」という戦略です。その戦略を、一緒に作っていきましょう。